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研究活動
研究活動

注目度の高い最先端の研究を推進、共同研究も積極的に行っています

理工学部では、学界?産業界から注目される先端科学に関わる多彩な研究が行われています。急速に変化する最先端技術を取り入れながらより高い成果を上げるために、学部?学科を超えた共同チームによる研究や、外部の研究所や他大学との共同研究プロジェクトを積極的に推進しています。

学部?学科間共同研究プロジェクト

【内容】超音波啼鳴に基づいたマウス母子間コミュニケーションの定量的解析法開発
【連携学科】バイオサイエンス学科 内野 茂夫教授、情報電子工学科 小川 充洋教授

マウス母子間コミュニケーション

最近、生まれたばかりの新生児マウスは超音波を使って親マウスとコミュニケーションをしているのではないかと考えられています。しかし、哺育中の新生児マウスの集団において、超音波を発信しているマウスを特定する方法が開発されていないこと、さらに、複数のマウスが発信する超音波の相互連関が解析できていないことから、マウスが発信する超音波を「コミュニケーション」として捉えられるかは確定していません。本研究は、バイオサイエンス学科と情報電子工学科との学科間共同プロジェクトとして、マウスが発信する超音波の動作原理の解明を行っています。

バイオサイエンス学科

情報電子工学科

【内容】パイロット支援チームによるトレーニング強化プロジェクト
【連携学部?学科】航空宇宙工学科、医療技術学部柔道整復学科、総合基礎科目

トレーニング強化プロジェクト

より遠くへの飛行をめざす人力飛行機の動力、エンジンはパイロット自身です。人力飛行機のエンジンたるパイロットの性能向上のため、航空宇宙工学科の渡部武夫講師、大森隆夫教授らのグループと柔道整復学科の剱持佑起助教、総合基礎の滝澤武准教授、池田看護師らによるパイロット支援チームが協力し、特別メニューによるパイロットのトレーニングを行っています。柔道整復学科が保有する最新の測定機器やトレーニング機器、人力飛行機に特化して考案されたトレーニング理論と、人力飛行機サークルSky Projectの製作する人力プロペラ機とのコラボレーションでチーム記録の更新をめざしています。

【内容】画像認識を用いた、マルチロータ無人ヘリの高精度飛行制御と自動離着陸制御の開発
【連携学部?学科】航空宇宙工学科、情報電子工学科

マルチロータ無人ヘリ

最近、4~8個のロータを備えた無人ヘリによる空撮、観測、点検?監視、軽量物運搬、などが注目を集めています。無人ヘリの自動飛行では、機体位置と高さをGPSや気圧センサを用いて測定しますが、通常、これらの信号には1m~数m程度の誤差があります。さらに周囲に障害物がある場所や建物内では、GPS信号は誤差増大または利用困難となります。そこで機体上のカメラ画像を用いて、他のセンサ信号と合わせて機体位置と高さを高精度で認識し制御に用いることができれば、制御精度を向上させて定点着陸などを可能にするとともに、無人ヘリの利用場所を大きく広げることができます。このテーマでは、太陽光パネルやその他構造物の点検などに無人ヘリを用いるときに必要となる高精度の位置?高さ?自動離着陸制御を、画像認識を利用して実現することを目標とします。研究課題の中で制御関連の課題は航空宇宙工学科が、画像認識関連の課題は情報電子工学科が担当しています。

他機関との共同研究プロジェクト

【研究名】宇宙機用固体潤滑剤の真空高温環境下での摩耗特性
【学科】航空宇宙工学科 橋本 敬三教授
【共同研究機関】宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究開発本部衛星構造?機構グループ

他機関との共同研究プロジェクトのイメージ写真

基本的に打ち上げ後のメンテナンスができない宇宙機には潤滑剤の使用が不可欠であり、選定された潤滑剤によって、宇宙機の寿命が左右される可能性があります。また、開発に莫大なコストを要する宇宙機において1度の失敗による経済的損失は無視できないレベルであり、宇宙機の信頼性に関わる潤滑剤の研究や開発は極めて重要な位置にあります。これまで宇宙用固体潤滑剤として二硫化モリブデンが実用化されているが、同じ結晶構造を持つ二硫化タングステンについて、宇宙環境での摩耗特性評価を行い、高温用固体潤滑剤としての可能性を探索します。XRD、SEMを用い解析をおこない、超潤滑のメカニズムを解明します。

【研究名】数値解析による二酸化炭素還元反応のモデル化検討
【学科】航空宇宙工学科 河村 政昭准教授
【共同研究機関】宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究開発本部 未踏技術研究センター

数値解析による二酸化炭素還元反応のモデル化検討

国際宇宙ステーションに代表される現在の有人宇宙活動は、酸素供給に必要な水の全てを地上からの輸送に頼っています。そのため、火星探査などより長距離の有人宇宙活動を将来にわたって展開していくためには、地上からの補給に頼らないシステムの確立が不可欠とされています。その候補の一つとして期待されているのが、サバチエ反応を利用した二酸化炭素の還元と水の電気分解とをリンクさせた循環型の空気再生システムです。本研究では、JAXAで行われている実験の実現象を詳細に理解する事と将来的な生命維持技術を確立する事を目的として、数値解析を利用したサバチエ反応槽内のモデル化をめざしています。

【研究名】エピゲノム研究に基づく診断?治療へ向けた新技術の創出(科学技術振興機構(JST)CREST)/ヒストンリジンメチル化制御系に基づく脳機能の理解と治療戦略への展開
【学科】バイオサイエンス学科 平澤 孝枝准教授
【共同研究機関】独立行政法人理化学研究所 眞貝洋一グループ

エピゲノム研究に基づく診断?治療へ向けた新技術の創出

多くの生命現象はゲノム情報と共にそのゲノム情報の調節を司るメカニズムが重要です。ゲノム情報の調節にはDNAやヒストン蛋白を化学修飾する「エピゲノム制御系」のシステムがあり、発生からガン、老化、そしてiPS細胞の作製技術の発展まで多くの疾患や生命現象に関わっています。本研究ではこのエピゲノム系調節機構であるH3K9メチル化酵素(ヒトではEHMT1)の変異による神経機能や精神疾患との関連性を調べ新たな治療戦略を構築することを目標としています。